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2008年04月03日
飯田線各駅停車豊橋行き
天竜川の水を飲んで育った浜松人としては,一度は乗ってみなければならないといわれている飯田線ですが,このたび機会あって初めて全線を乗りとおしました。
新宿駅7時ちょうどのスーパーあずさ1号で中央東線を岡谷まで。所要時間はだいたい2時間20分くらいです。
今回使用した乗車券。東京都区内-東京都区内となっていてキセルっぽいといわれますが,経由地が「中央東-川岸-飯田線-東海道-浜松-新幹線」と指定されていて,学割でも8,150円します。
上諏訪からの直通運転ですが,飯田線を全線通して運行する各駅停車に乗車します。飯田線は営業キロが195.7kmでその間に94駅あるそうです。つまり平均2kmに1駅といった計算になります。
この小さな川が(たぶん)天竜川です。佐久間ダムのあたりから奥三河のほうにそれますが,
飯田線はほとんどの区間を天竜川とほぼ並行して走ることになります。
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ここで地形についておさらいしておきます。飯田線は中央本線の辰野から天竜川,中央自動車道と同じルートで伊那盆地を縦断しています。そこからは天竜川にそって長野・静岡・愛知県境付近の山地を通り抜けて,佐久間ダム付近を迂回して奥三河に入り,東海道本線の豊橋にいたる路線です。特に三遠南信(三河・遠州・南信州)の県境付近は過疎地帯であり,地形も急峻で,秘境駅が多く,この路線のハイライトといっても過言ではないでしょう。また岡谷-飯田間や豊橋周辺では地域住民の足になっています。表情豊かな路線で,鉄道マニアにも人気があります。
伊那盆地の車窓両側には中央アルプス,南アルプスの3000メートル級の山々が連なります。
飯田を越えると県境付近の山地に入ります。お客も鉄道マニア風の人が多くなります。
大きな道路もない川沿いにも茶畑や民家などが点在します。
秘境駅として有名な小和田(こわだ)駅。飯田線のハイライトのひとつです。ここから静岡県浜松市天竜区に入ります。政令指定都市です。実際にはこの駅の前の天竜川の中央部に長野・静岡・愛知県境があります。このような秘境駅にあっても乗り降りする人が多いのには驚きます。ほとんどがその道の人と思われます。
浜松市に入って2駅目の大嵐(おおぞれ)駅から,佐久間ダムによる水没のための線路付け替え区間です。ここから長いトンネルをとおって天竜川を離れ,水窪川沿いに移ります。この駅からは付け替えのためやや無理のある曲線,トンネルの中までポイントなど駅設備があります。
もうひとつのハイライトである,川をわたらない橋梁。左岸から出て結局左岸に戻る不思議な橋です。このあたりは地盤に問題があるため左側の山にトンネルを掘ることができなかったためのようです。
佐久間発電所,出力35万キロワット。この山の後ろに百数十メートルの高さに満々と水が湛えられているわけです。ちなみに,ここは50Hzと60Hzの両方に送電できるようになっていて,両方の送電線が来ています。またこの立地を生かして50hzと60Hzを変換する周波数変換所があります。
中部天竜駅併設の佐久間レールウェイパーク。博物館というよりは操車場に列車がおいてあるだけという感じです。飯田以北より乗っている人の多くの鉄道マニアがここで降りていきました。
ここから愛知県に入ります。
豊橋に到着です。岡谷から5時間以上かかりました。あとは浜松までは30分程度。飯田線にくらべ線形の良さにはおどろきます。
浜松到着は午後5時ころになりました。東京から約11時間。経路の割には意外と時間がかからずに到着できました。