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2006年12月02日

中港澳比較行(その3 深夜特急)

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T97次北京西発九龍(香港)行きは、直線距離約2000キロを約24時間で駆け抜ける超特急列車。始発の北京西駅を昼頃出まして各省1つづつしか駅にとまりません。河北省の停車駅はありません。河南省・鄭州、湖北省・武漢(武昌駅)、湖南省・長沙、広東省・広州(広州東駅)、終点九龍(紅磡駅)の順に停車してまいります。手元のGPS測定器によると最高で時速165キロほど出していました。地図上の赤い線は今回の経路の実測データ。

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北京西駅出発フロア。行き先表示板をよくみるとびっくりするぐらい遠くへ行く列車がいくつかあります。日本ではもうありません。新幹線や飛行機よりも寝台列車のほうが高いのですから。ちなみに、北京から香港までの運賃は1等寝台で約1000中国元(15000円くらい?)です。

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前から気になっていましたが、中国の鉄道は(私が乗る範囲では)多くの区間が電化されています。しかも交流で電化されています。日本の鉄道は大都市近郊では直流なのですが、これは歴史的な経緯が主な理由です。交流のほうが容易に電圧を高くすることが出来るため同じ電力を送るのに小さな電流ですみます。電車の架線というのは結構抵抗があるらしく、電流が大きいと電圧がかなり降下してしまうため、変電所を短い間隔で設置しなければなりません。その点交流ですと変電所の数は少なくなります。ちなみに新幹線は交流です。そのかわり、パンタグラフを載せる「がいし」はごつくなりますし、架線の吊架にも絶縁のために広いスペースが必要です。違いが知りたい人は東北本線黒磯駅、常磐線、つくばエクスプレスなどで観察してみてください。

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この列車は国際列車扱いなので、北京西駅の国際線ターミナルより出発します。この駅で中国の出国手続きをして「中国辺防検査(北京鉄路)」のスタンプを冒険の書に記録してもらいます。これより先すべての駅で、国際線エリアのホームは柵で囲まれていて途中で降りることはできなくなっていました。

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出発後早速車内販売の弁当で昼飯。残念ながらそんなにおいしくなかったです。以前に乗ったときは(そのときは旧型の緑のやつでしたが)紙の箱にその場で詰め込む言う感じでよかったのですが、今回はこぎれいにまとまっている感じでした。

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華北平原の景色、といっても当日は視界不良であまり遠くは見えません。また写真では車窓の景色は撮りにくいです。また夜は明かりの全く無いところを走り抜けていきます。列車に揺られてレールの上を走る音だけが聞こえ、時々ゴーという音とともに貨物列車などとすれ違います。こればかりは写真ではおつたえできない感じなのでぜひ体験してみてください。

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食堂車での夕食。食堂車は列車服務員の溜まり場になっています。各車両には服務員が1人づついて、寝る部屋もあります。2泊3日の列車とかでもたぶん通して乗務しているのでしょう。船旅のような感覚です。

次回は華南地方の車窓からです。

投稿者 tisobe : 2006年12月02日 04:36

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