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2008年12月14日

我が家に光がやってきた(映像編)

さてもう一点,光にしたのでテレビにも活用することにしました。これまでアンテナを接続していなかったので無用の長物であったアナログ放送のチューナーを内蔵したテレビ(要はふつうのテレビ)が使用できます。

同じ光ファイバーでパケット通信とは別に,テレビの電波の高周波信号を変調して送る仕組みで映像を送っているようです。(アナログ電話回線にADSLを乗せるようなものです。)したがってインターネットの帯域などに影響はしないし,オンデマンドでもありません。ただテレビのアンテナの代わりになるだけです。(オンデマンドのやつは紛らわしい別の名前のサービスで同じNTT系の会社からも提供されています。)

回線終端装置はイーサネットの端子とは別に,同軸ケーブルのRF出力端子が付いています。ここにテレビのアンテナ端子をつなげば,普通のアンテナと同じ働きをします。チューナーが要るのですが,アナログ地上波のチューナーを内蔵している普通のテレビにつなげば地上波アナログが見れますし,地上波デジタルのチューナーを内蔵している場合,BSデジタルのチューナーも同様です。

今回同時にスカパーに申し込んだため,回線終端装置から出てくる同軸ケーブルをスカパーのチューナーに接続。CSデジタル放送として送信されているので,パラポラアンテナの代わりに使用できます。(自分の部屋の向き的にアンテナは不可。)おかげで以下のような放送が見られるようになりました。

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CNN。外国でよく見ますが,日本ではありがたいことに同時通訳が付いています。

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BBC。地域によりますがCNNより各所でよく見るような気がします。英語の練習になりそうです。

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そしてみなさんおなじみのCCTV(中国中央電視台)。これは同時通訳はないので中国語のみですが,中国語の字幕が出ます。残念ながら有料チャンネルなので2週間の無料期間が過ぎると視れなくなります。。

残念なのはN○Kが入っていないことです。いまのところ同軸ケーブルはスカパーのチューナーに直行しているので地上波放送(アナログも)は見られません。(分波して配線すれば当然映るんですが。)

投稿者 tisobe : 04:44 | コメント (0)

我が家に光がやってきた

引越し先の新居にインターネットを引くのに手間取っていたため,1ヶ月くらいインターネット無しの生活をしていました。それはそれでなかなかいいものでしたが。

それで新しい建物にはBフレッ○が導入済みとのことで入れてみることにしました。特にいままでどおりで困ってはいないのですが,この種のものは引越しのときくらいしか新しいものを導入するチャンスはありませんので。

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どうしても接続したい用事があって,久々にアナログ回線のダイヤルアップを体験。ノートパソコンにはモデムがついていました。10年前はこれくらいの速度が普通でしたね。いまはこれの1000倍以上ですが。

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いよいよ工事日。我がマンションは光配線方式の適用ということで,部屋まで光ファイバーでやってきます。NTTのほうからやってきた工事の人が電話線が敷設してある配管に通線工具を通して手際よく配電盤から光ファイバーを引っ張ります。

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共用の配電盤の中には光ファイバーのハブのような装置がいくつか取り付けられており,各部屋の配管につながっています。このハブのような装置には別途の電源は不要のようです。ちなみに今回自分がめんどくさい注文をしたため,既設の設備では対応できず建物への引き込みから増設するはめになりました。

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こちらが部屋側の仕上がり。残念ながら壁埋め込みコンセントにはなりませんでしたが,この光コンセントまではこの部屋の設備として退去時にものこしておく形となるようです。

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これがレンタル品の回線終端装置。ひかり電話・ハブと一体型になっているものが多いのですが,今回はこちらの希望(+電話はまだまだアナログがいいという主張)により回線終端装置単体のものを使用,おかげでコンパクトな装置になりました。白いケーブルは室内取り回し用の光ファイバーケーブル。

ルーターはこちら側の設備であるべきということで,こちらの希望のものを手配,回線終端装置との間はイーサネットケーブルで接続。プロバイダーからのアカウント情報でPPPoE接続を確立して,インターネット関係は難なく終了。測定によればフレ○ツ網までで97Mくらい出るようです。

映像編に続く。

投稿者 tisobe : 04:06 | コメント (0)

2008年12月01日

世界最大の水力発電所

飛行機を乗り継ぐこと30時間以上。ブラジルとパラグアイの国境にある世界最大の水力発電ダム「イタイプー」に行ってきました。(申込みをすれば見学可能です。)
近くには世界三大瀑布の1つ,「イグアスの滝」があるのですが,我々電気屋の主たる興味はもちろんダムおよび変電所です。


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場所はこのあたりです。西側がパラグアイ,東側がブラジルです。人工湖から2つの水路で下流につながっていますが左側が放水ゲート,右側が発電設備です。

日本でよく見る水力発電ダムは,普段目にする部分は「水をせき止めて湖を作る部分+放水ゲート」であって,発電設備は導水トンネルを通した下流の地下にある場合がおおいです。これは地形を利用して落差をかせぐことで発電するタイプだからといえます。一方,イタイプーは比較的平坦な地形ですので落差はあまりなく,水量で稼ぐタイプといえましょう。(落差×水量が発電出力に相当しますから。)

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こちらが放水ゲートの側。雨が降ったりする場合以外はこちらに水は流れません。すべて発電にまわります。日本のように○○県と△△県の水道用,発電用,治水目的などという複合目的ではなく単純に電力を得ることのみが目的です。

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こちらが発電設備の側。白いパイプ1本1本が水車発電機につながっています。発電機は20台。1台の出力は約70万キロワット。20台で1400万キロワットです。ちなみにみなさんおなじみの佐久間ダムの佐久間発電所は35万キロワットですから,イタイプーの発電機1台の出力で佐久間の2倍あるわけです。またこれもみなさんおなじみの浜岡原子力発電所は5基の原子炉で約500万キロワットの出力です。(だいたい1キロワットは1世帯分の電力です。)
ちなみに中国の三峡ダムが完成すると,出力はイタイプーをやや上回る1820万キロワットになるようです。

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水圧鉄管。一部業界の方々には萌える風景です。

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送電鉄塔ファンにもうれしい風景。こちらでは土地がたくさんあるので,送電線も高速道路並みに幅広く敷地を確保しています。上の地図でもダムから帯状に森を切り開いてできた様子がわかりますがこれは送電線です。この写真では50万ボルトの交流が4回線(1つの鉄塔で1回線,3本だけ架けてある)並行して走っています。

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さて,発電した電力の売り先ですが,イタイプーダムはブラジルとパラグアイの共同国営企業体のような形になっています。(施設内に国境がありますが,敷地内にいる限りはパスポートコントロールはありません。)10台の発電機がパラグアイに50Hzで送り,10台の発電機がブラジルに60Hzで送っています。

ブラジル側への電力は75万ボルト交流に昇圧されてサンパウロ方面に送られます。ところがパラグアイは電力の需要が少ないため10%程度しか使用せず,40%はパラグアイからブラジルに送電されています。建前上,一応パラグアイ国内に入りますが数キロでそのまま国境をわたります。ブラジル国内に入ったところで50Hzの50万ボルトの交流から+-60万ボルトの直流に変換されて直流の状態でサンパウロ方面の電力消費地に送電し,そこで60Hzの交流に変換するという形をといっています。周波数が違うためいったん直流に変えなければいけないということと,距離にして7~800kmくらいあるので直流送電のほうが有利というのがあってこのような形になっているのだと思います。

投稿者 tisobe : 00:54 | コメント (0)